保湿にはセラミドというけれど、何がどう良いのか?
今イチよくわかってなかったのでちょっと調べてみました。
セラミドとは
肌のいちばん外側にある角層の細胞と細胞のすき間をぴったりと埋めている「角質細胞間脂質」成分のひとつ。
細胞間脂質には、セラミドのほかに糖セラミド、遊離脂肪酸、コレステロール、コレステロールエステルなどがあります。
細胞間脂質は水分を挟み込んで逃がさない働きをしているので、これが少なくなると角層の水分量は80%も落ちてしまうと言われています。
肌の水分を維持するためにもっとも重要な役割を担っているのがセラミドだそうです。
また、皮膚の一番上の層にあるセラミドは外からの細菌侵入を防ぐバリアの役目もあります。
角層のバリア機能が低下すると細菌感染やアレルゲンなどの物質が侵入しやすくなる危険性もあるそうなので、美容のためだけではなく保持しておきたい成分です。
(画像出典:アトピー性皮膚炎の総合情報サイト【あとぴナビ】)
肌のバリア機能が低下すると角層内に最近が侵入しやすくなり、皮下で感染することが多くなります。
この場合、セラミドを補給することでバリア機能が正常化し、かゆみを改善することができるそうです。アトピー肌の改善にはセラミド摂取が重要なのだそうです。
加齢とともにセラミドは減っていく
セラミドは脂質なので水には溶けません。しかし水と結合してラメラ(層板)構造と呼ばれるミルフィーユ状の層をつくります。このラメラ構造に取り込まれた水分は乾燥した環境でも蒸発しません。
肌に十分なセラミドがあれば「ぷるぷる」で若々しいハリのある印象を与えることができるというわけ。
また、抗酸化作用でシミ・しわも防止するそうで、アンチエイジングとして注目されるのも納得です。
角層に含まれるセラミドの量がいちばん多いのは赤ちゃん時代。
しかし年齢が上がってくるにつれて減少し、50代になると20代と比べ、およそ半分程度になってしまうと言われています。
セラミドはターンオーバーとともに表皮細胞の中でつくられています。
代謝が悪くなるとターンオーバーも時間がかかり、つくられるセラミド量も少なくなり、角層の水分量も減っていきます。年をとると肌が乾燥しやすくなるのはこのためです。
また、睡眠不足やストレスもセラミド不足の原因になるそうです。
(画像出典:小林製薬 http://lp.kobayashi.co.jp/md/hifmid/2/2/7.html)
セラミドはどうやったら補える?
肌のハリや潤い成分、セラミド。美容の観点だけでなく、皮膚の健康においても必要だということは分かりました。
若い頃なら代謝が活発で、次々とこの成分が生成されるのでしょうが、年齢を重ねていくと生成が追いつかず、乾燥が進んでしまいます。
乾燥はご存知のとおり、シワの原因になっていくので、ここはなんとか補給していきたいもの。
◎食べ物やサプリ
セラミドは食事や飲み物から摂って増やすのは難しいと言われています。
植物性セラミドは、こんにゃくやワカメ、ひじき、黒豆、お米などに多く含まれています。実際、それらを原料としたサプリも多く存在します。
しかし経口摂取されたセラミドがどのように働くか具体的な効果についてはまだ研究段階とのこと。効果が確認されていても、その作用の実体は未解明だそうです。
それよりも、セラミドは肌の一番外側、もっとも成分を浸透させやすい位置にあるので、内側からの効能を待つより外から塗った方が早いと言えます。
◎セラミド配合化粧品
セラミドは脂質なので、化粧水ではなく美容液や乳液に配合されています。
「天然セラミド」「植物セラミド」など4種類のセラミドがあり、その中で美容液として安心できると言われているのが「ヒト型セラミド」。浸透しやすく低刺激で敏感肌・アトピー肌にも使えるのが特徴です。
セラミドは化粧品原料としては比較的高価です。
「セラミド配合美容液」と書いてあっても、極端に安いものは含有量はごくわずか。
効果を確実に実感しようとするなら「3000円以上の商品を選んだ方が良い」という意見を本やネットでよく見かけます。
セラミドは高い。では他の保湿成分は?
水分保持力でいえば圧倒的に強いセラミドですが、その他にも保湿にすぐれた成分はたくさんあります。
【セラミドと同じ細胞間脂質にある成分】
・スフィンゴ脂質
・ステアリン酸コレステロール
いずれもセラミドよりは保湿力は弱いものです。
【水分保持力のあるその他の成分】
・水素添加大豆レシチン
大豆から抽出される成分。水添レシチンは合成界面活性剤との見方もありますが、界面活性力は弱いので問題ないとする意見も。
・ヒアルロン酸
真皮にあるゼリー状の物質。200〜600倍の水分を蓄える力があると言われており、敏感肌の人も安心して使えます。
・コラーゲン
皮膚、血管、歯などほとんどの組織に存在する繊維状のタンパク質。からだを構成する全タンパク質の30%を占めています。
自分で作り出したコラーゲンは、真皮では弾力を保つ働きを持っていますが、化粧品として配合される場合は保湿成分となります。表皮の潤いにはなりますが真皮までは到達しないので、化粧品で塗っても弾力の回復にはなりません。また、コラーゲンを含む食材を食べても人体に吸収されるには分子が大きすぎるため、皮膚のコラーゲン量に影響はないそうです。
・エラスチン
これも真皮にある物質。線維状のタンパク質で、コラーゲン同士を結びつける働きをしています。弾力があり、伸縮性のある繊維成分です。
コラーゲンと同様、食材から成分を吸収することはできません。保湿力が強いため化粧品に配合されることも。
・ヘパリン類似物質
血液中のヘパリンという成分に水分含有力があることから、類似の成分を保湿成分として応用したもの。医薬品にも使われています。
・天然保湿因子(NMF)
角質細胞内にある水溶性の成分。アミノ酸や尿素、PCA(ピロリドンカルボン酸)など、約20種類の成分で構成されています。保湿力は強くないけどさらっとして使用感がよいため、化粧水によく配合されています。
・PG(プロピレングリコール)、グリセリン、1.3BG(ブレチレングリコール)
多価アルコール。吸湿性に優れ、化粧品にはよく使われる成分。保湿力はあまり強くありません。
まとめ
- セラミドは美容にも健康にも重要な保湿の主力成分
- 食品からは吸収されにくい
- セラミドは高価な成分なので美容液の価格は高め
ご参考になれば幸いです。
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