現代人は、とかく息が浅くなりがち。時間に仕事に家事におわれ、息つくヒマもない。文字通り、ゆっくり息をする余裕がないのですね。
健康や美容に良いと多くの人がおすすめしている「瞑想」は、まず深呼吸することから始めるものが多いようです。ゆっくり吸ってゆっくり吐く。ヨガでも禅でも気功でもその他海外発のメソッドでも、呼吸は重要視されています。
なぜ呼吸がそんなに大事なのか?その理由を探ってみました。
呼吸が浅いとどうなるか?
人はストレスを感じたりイライラすると呼吸が浅くなります。
また、猫背など姿勢が悪いと胸郭がつぶれて横隔膜の動きを妨げることになり、呼吸が浅くなります。
これは息苦しいだけではなく脳や肺などに必要な酸素を十分に届けられないという事態を引き起こします。
このダブルの要因、ストレス感じながらPCにずっと向かいっぱなしだったとしたら、そりゃー呼吸も浅くなりますよね。
現時点の不満だけでなく、将来への不安や焦りも同様のストレスに。
自殺者数の増加を見ても、現代はいまだかつてないストレス社会になっていると言っても過言ではありません。そして多くの人が、無意識に「浅い呼吸」となっているのです。
では、呼吸が浅いとどうなるのでしょう?
まず、十分な酸素が取り込めないので、呼吸回数が増えます。
浅くそして早く、なるわけです。
これがひどくなると「息苦しく」感じるようになったり、動悸・息切れするようになったりします。
私たちは日頃意識していませんが、日常の呼吸するという行為はすなわち肺へ酸素を送るということ。呼吸が浅いと、肺に取り込まれる酸素の量が少ないことになります。
酸素がじゅうぶん取り込めないとどうなるか?
肺で行われるガス交換がうまくできません。
(図:ブルーロータスパブリッシング「実年齢より10歳若返るシンプルな7つの方法」より)
すると体のすみずみまで酸素が行き渡らなくなるので、筋肉にコリができるし、疲労がたまります。
また、代謝も落ちるので老廃物がうまく排出されません。
これが慢性疲労や肌のくすみになってあらわれます。
深呼吸で副交感神経がスイッチオン
深呼吸で、「ゆっくり吸ってゆっくり吐きだす」ことで、肺へ十分な酸素を送ってあげます。
呼吸が浅いと・・・
◎十分に脳へ酸素が行き渡らずに頭がぼんやりしたり、眠気が起きる。
◎自律神経が乱れ、緊張を司る交感神経が優位な状態が続くので、不安や焦りを感じる。
◎心拍数があがり血管は収縮、血圧上昇、胃腸の働きが鈍る
◎血流の流れが悪くなり免疫力も低下
◎新陳代謝が悪くなり細胞の老化がすすむ
では呼吸が深ければ?すべて逆の効果となります。
◎十分に脳へ酸素がいきわたることで、頭がすっきりする。
◎自律神経が正しく働き、リラックスを司る副交感神経が優位になり、心が落ち着く。
◎心拍数がおだやかになり血圧を下げ胃腸の動きを促進する
◎血流の流れがよくなり免疫力が上がる
◎新陳代謝がよくなり細胞が活性化する
吸う息で交感神経が、吐く息で副交感神経が優位なります。
副交感神経が優位になると、リラックスに必要なセロトニンが分泌されます。
呼吸は自律神経に働きかけるスイッチというわけです。
深い呼吸がさまざまな問題を解決
深呼吸することで信号が脳へ送られ、脳からは体内へ指令が出ます。
「副交感神経スイッチオン!」と。
自律神経のバランスが整えば、自然と代謝がよくなります。
代謝のよさは、胃腸においては消化の良さとなり、お肌においてはターンオーバーの早さとなります。
つまり、ダイエットとアンチエイジングの一挙両得!
また全身の血流がよくなれば自然と肩こりも解消。
脳では思考力が上がりますし、免疫力があがることで病気を未然に防ぎます。
(浅い呼吸は白血球の働きにも密接に関係があるそうです)
いいことづくめですね。
瞑想など、じっくり取り組む時間がなければ、仕事や家事の合間にゆっくり深呼吸してみるだけでも、十分効果があると思います。
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