イライラのメカニズムを知る
神経伝達物質。
↑これが更年期の影響でうまく流れていかなかったり過敏に分泌されたりするため、前だったら全然気にしなかったようなことが気に障ったり、ちょっとしたことでイライラしたりと、さまざまな感情の起伏となって現れます。
そう、これは女性が年齢を重ねる上での自然現象。
決してあなたのせいではありません。
そのメカニズムを知って、うまく対処していきましょう。
神経伝達物質とは
情報を伝達するために、私たちの脳の中にある神経細胞同士の間に存在する物質です。(図:Wikipediaより)
神経伝達物質は50種類以上あると言われていますが、このバランスや量が、私たちの心に大きな影響を与えています。
主な神経伝達物質 | |
興奮系伝達物質 | ・アセチルコリン ・ドーパミン ・ノルアドレナリン ・アドレナリン ・グルタミン酸 |
調整系伝達物質 | ・セロトニン |
抑制系伝達物質 | ・GABA(ガンマアミノ酪酸) ・グリシン |
たとえば、パニック障害などで処方される抗不安薬として出される薬は、GABAの働きを高めてノルアドレナリンやドーパミンを抑制する作用のものです。
ノルアドレナリンは不安を感じさせる伝達物質、ドーパミンは神経を興奮させる伝達物質なので、それを抑えることで気持ちが落ち着くというメカニズムです。
ただし、神経に作用する薬は短時間で効き目があるかわりに、眠気、ふらつき、依存性といった副作用があります。眠気やふらつきは、薬を続けるうちにだんだん慣れてくるものですが、「依存性」の方は長く続けているうちに形成されていきます。そうなると薬がないと落ち着くことができなくなり、薬をやめることが新たな苦痛となってしまい、本末転倒です。
更年期のイライラは一時的なもの(5〜10年)なので、いずれおさまります。
焦って早急に改善しようと抗不安薬・抗うつ薬に頼ってしまうと面倒なことにもなりかねないので、なるべくなら薬に頼らずに楽になる方法をとっていくのがベターだと思います。
神経伝達物質は、この図のようにバランスよく水平が保たれていると心や感情が安定するのですが、神経伝達物質が少なかったり多かったり、調整する軸が弱かったりするとたちまちバランスをくずして、感情の波となります。
更年期の時期が過ぎれば神経伝達物質の量も流れも元通りになり、感情の波も落ち着いてきますが、それまでの間も食事や習慣で伝達物質を意識的に増やすこともできます。
神経伝達物質を増やす方法についてはこちらの記事をご参照ください。
イライラは脳の指令系統の問題
更年期のイライラは、ホルモンバランスが崩れることで神経伝達物質も意志に反したものになってしまい、必要以上に過敏になったり怒りっぽくなったりしてしまうというカラクリでした。
イライラもくよくよも怒りっぽいのも、単なる神経伝達物質の不調。
脳が風邪ひいたようなもの。
もしイライラしたり怒りっぽくなっていたら自分を責めずに、「あー脳内もちょっと調子が悪いのね」と、心と切り離して考えてると気が楽になります。
しかも、無理して治そうとしなくてもいずれ治るのがわかっている。
だって更年期なんですもの。www
無理に気分転換を試みたりポジティブに考えようと努力したりすると、ただでさえバランスが危うい神経伝達物質がさらに混乱してしまうかも。
(明るく考えようとしてそれができないとさらに落ち込みますよねぇ)
不足した神経伝達物質は、食事を工夫したりサプリを飲んだりアロマを活用することである程度復旧できます。気分転換がてら試してみてください。
(参考文献:Wikipedia/看護roo!みんなのコミュニティ 他)
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