更年期のむくみの原因と対策。朝からひどい場合に疑われる病気とは

夕方になると脚がむくんで靴がきつくなる… 誰もが経験のある症状です。
この程度の脚のむくみであれば、マッサージしたりあたためたり冷やしたりといった方法で解消しやすいです。また、むくみの原因「水分・塩分・アルコール」を控えるのも間違いではありません。
さてここまでは若い人にも共通の一般的なむくみの話。
40代・50代の更年期女性のむくみは、別の原因があります。
(参考文献:日経BP「日経ヘルス プルミエ編 女性ホルモンを味方にする本」/他)

 

更年期女性のむくみの原因

更年期世代特有の理由として、

筋肉老化、皮膚のハリ不足、女性ホルモン低下

が考えられます。

 

血液を循環させる筋肉の力が衰えてむくみ発生

心臓から押し出された血液は、動脈を通って毛細血管に行き渡り、一部がそこから染み出して、皮下組織の細胞に栄養分を供給します。
その後、9割が静脈に、1割がリンパに回収され、心臓に戻ります
しかし夕方になるにしたがって筋肉の疲労もたまり、足の静脈は重力に逆らって心臓に血液を送り戻すのが難しくなって停滞してしまいます。

しみ出た体液はいっぱいになった静脈に戻れなくなり、皮下組織にたまってしまいます。
これが、脚のむくむ仕組みです。

体力の衰えを感じ始める40代、50代。老化で筋肉の力が衰えつつあるので、静脈に血液を回収しきれなくなり、むくみやすくなるというわけです。

ただし普通は、ひと晩からだを横にすると滞っていた血液の流れが復活し、朝にはむくみが解消されます。

 

皮膚のハリがなくなったことでむくみ発生

もうひとつの理由はお肌のハリ不足。
皮膚のハリがあるうちは、体液がたまってきても皮下組織内の圧力でその体液を静脈に戻すことができています。しかしハリがなくなるとそれができなくなり、戻らなかった体液がそのままむくみとして現れてしまいます。
この他にも、高血圧や肥満といった老化にともなう現象もむくみの原因に。
心臓に負担がかかり、血液を引き上げる力が低下するからです。

 

更年期の女性ホルモンバランスの乱れ

これもむくみを助長させる原因のひとつ。更年期症状・障害の治療を行うことで、むくみが軽減することもあります。
(参考記事:ホルモン補充療法でお肌の老化をストップ

 

むくみを防ぐ・やわらげる方法

 

椅子に座ったまま脚を水平にあげる

夕方以降のむくみを軽減するなら、昼間に座ったままでできる簡単ふくらはぎストレッチが効果的です。

<やり方>
椅子に座った状態で脚を前に投げ出し、足首を上下に動かします。気が付いた時にさっと5秒間やるだけでも十分効果があります。これは、静脈の血液が心臓へスムーズに戻る力を促進するふくらはぎのストレッチです。朝から徐々に滞って来た静脈の流れをリセットすることができます。それでもむくみが気になるようなら、弾性ストッキングを着用するのも手です。
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歩くときの姿勢を意識する

歩くときに前重心になっていると、使う足の筋肉がかたより、使われすぎた部分の筋肉が硬くなってしまいます。

そうするとリンパの流れが悪くなり、結果的にむくんでしまいます。
頻繁に歩き回る仕事の人でも夕方になるとむくんでしまうのはこのせい。

歩くときは股関節から脚を動かし、重心がカカトの真ん中にくるように
ふくらはぎを使うように意識すれば脚のあらゆる筋肉が効果的に使われ、むくみにくくなると言われています。

 

マッサージするならヒザ裏

脚がむくむとツラさをやわらげようとさすったり揉んだりしますよね。せっかくなら、効率の良い場所をマッサージすると良いでしょう。
脚の中でもっともリンパが集まっているのはずばりヒザ裏
ひざを立てて座り、指の腹で痛みを感じない程度の力加減で「ゆっくりと30秒ほど押してはなす」を何度か繰り返します。

 

温冷浴を習慣に

温冷浴は血管を拡張・収縮させるので、滞った血流の流れを改善してくれます。
ただし長時間にわたる入浴は、動脈が拡張しすぎるため、皮下組織にしみ出す水分も増加。静脈の処理が追いつかなくなって、結果むくんでしまうことになります。
むくみ対策としては、皮膚の表面が赤くなるほどの長湯は禁物です。

 

水分制限は逆効果

夕方の足のむくみを防ごうと、日中に水分をとらないようにしているという人もいますが、実はそれは逆効果。水分不足を感じたからだは、水分を溜め込もうとするので水制限はあまりお勧めできません。

また、水の代わりにコーヒーやお茶はどうかというとそれも利尿作用があるのでむくみ対策としてはNG。

糖分の多いジュースも同様です。

 

 

朝のむくみ、片側だけにあるむくみは要注意

「夕方から夜むくむが翌朝には元に戻っている」なら、一般的なむくみなので、上記のようなセルフケアで緩和することができます。
しかし朝になっても解消されない場合や、片側だけにむくみが見られるときは病気のサインかもしれないので注意が必要です。

これは更年期に限ったことではなくどの年代にも言えることなので、下記の自覚症状があるなら普通のむくみケアではなく病院で診察を受けた方が良いでしょう。

 

・片側の手や足だけにむくみがある

「静脈瘤」「静脈血栓」「リンパ浮腫」などの可能性があります。
早めに血管外科、リンパ浮腫専門医を受診しましょう。

・全身がむくんでいる

心臓・肝臓・腎臓の疾患、糖尿病、高血圧、膠原病、甲状腺機能低下症などの可能性があります。
早めに受診しましょう。

<参考文献>

 

ご参考になれば幸いです。

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