【更年期】症状別セルフケア<偏頭痛> 頭痛持ちは40歳を過ぎたら一度検査を

更年期の血圧上昇が原因

更年期の偏頭痛も人によって症状はさまざまです。

○こめかみのあたりがズキズキ痛い
○ときどき頭の左右のどっちかに割れるような痛み。
 しばらくすると治まる。
○後頭部からジンジンと痛む
○突然頭の片側だけぎゅーっと締め付けられるような痛み

脈打つようなズキンズキンという偏頭痛は、頭の血管の拡張と炎症が原因。

月経周期によるホルモン変動が関係すると言われています。
その上、更年期になると血圧の上昇も加わり、偏頭痛を引き起こしやすくなります。

更年期は、女性ホルモンのエストロゲンが減っていく期間。
このエストロゲン、実は今まで血圧上昇を抑える働きも持っていました。

したがってその抑制がきかなくなり、更年期を境に自然と血圧は高くなります。
なおかつ、エストロゲンは脂質代謝にも関係が深いため、コレステロール値も上がっていきます。

これにより動脈硬化が進んで血圧をあげ、頭の血管が刺激されやすくなり、偏頭痛となりやすいのです。

最初に行くべき病院は?

頻繁に起こって日常生活に支障が出るほどの場合、ただ漫然と市販薬を飲み続けるのはよくありません。
まずは脳神経外科で調べてもらいましょう。

○脳神経外科では…

脳神経外科では、問診でまず症状の現れ方をヒアリング。
質問と返答から、その症状が頭自体の疾患なのか、他の病気による頭痛かが診断されます。
他の病気の疑いが高い場合は、精密検査へ。CTやMRI検査、脳波検査などで異常を確認します。
頭自体の問題であれば、頭痛の種類を診断。
「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」など、どのタイプに属するのか鑑別します。

◆片頭痛
慢性頭痛としては最もメジャー。

◆緊張型頭痛
身体的・精神的なストレスが複雑に関係していると考えられています。

◆群発頭痛
群発頭痛の原因は、まだはっきりと分かっていませんが副交感神経の異常が関係していると言われています。

◆その他の頭痛

この結果によって、処方薬や治療方法が決められますので、日頃の痛みの状態についてなるべく詳しく医師に説明してください。
このほかに、歯の噛み合わせ不良からくる頭痛や、眼精疲労による頭痛もあります。
脳神経外科で特に問題が見つからなければ歯科や眼科に相談してみるのもよいでしょう。

○歯科では…

噛み合わせに問題がある場合は、矯正器具を使って噛み合わせの矯正を行います。

○眼科では…

緑内障などの病気の有無をチェックし、メガネやコンタクトが合っているかを診ます。
また、ビタミン剤入りの点眼薬、筋弛緩剤などが処方されることもあります。

○内科・婦人科では

吐き気をともなう頭痛には、高血圧が原因のこともあるので、その場合は降圧剤・鎮痛薬が処方されます。また、鎮痛薬に併用して以下のような漢方薬が処方されることもあります。

・緊張型頭痛…葛根湯(かっこんとう)
・偏頭痛…呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
・高血圧傾向の頭痛…釣藤散(ちょうとうさん)
※ホルモン補充療法は、偏頭痛を悪化させる可能性があるので注意が必要。

 

偏頭痛から考えられる重大な病気

年齢にともなう高血圧が原因の偏頭痛であれば、時間がたてば落ち着いてくるでしょう。
しかしこの偏頭痛、大変な病気のサインかもしれません。
「更年期だから」と軽視せず、以下のような症状を感じたらすぐに専門の病院で診察してもらってください。
 (参考文献:日経ヘルスプルミエ「女性ホルモンを味方にする本」)

偏頭痛の症状 疑われる病気 受診先
朝方によく頭痛が起こる 「脳腫瘍」の可能性があります。腫瘍が大きくなると、手足にしびれを感じることも。 頭痛専門医・脳神経外科
むくみ、便秘、疲労感をともなう 「橋本病」「バセドウ病」などの甲状腺ホルモンの分泌異常が疑われます。 内科分泌科
花粉症などのアレルギー疾患があり、季節の変わり目に頭痛がひどくなる 「副鼻腔炎」による鼻づまりが偏頭痛の原因かも。 耳鼻咽喉科
頭全体がぎゅーっと締め付けられるような重苦しい痛みがだらだら続く 「緊張型頭痛」の可能性あり。肩・首の筋肉や神経の緊張が原因。温める、体を動かすことで和らぐこともある。  内科・婦人科
金づちで殴られたような痛み、吐き気もある  「くも膜下出血」の恐れがあります。  救急車

 

偏頭痛を和らげるためのセルフケア

・月経前後に赤ワインやチョコレートは避けること。
健康にいいとされている食品も誘発要因になることがあります。
ハムやソーセージなどの加工食品も控えた方が無難。

・騒音やまぶしい場所は避ける。
偏頭痛は、極端な環境変化が原因で起きたりひどくなるケースがあります。
気圧・気温の変化も要因になります。

・初期の痛みは冷やすと和らぐ。
偏頭痛時は痛む部分を冷やすこと。
血管を拡張させる行動は症状を悪化させます。
お風呂などであたたまると血管が広がるので頭痛のあるときは控えるように。

・市販の鎮痛薬はほどほどに。
頼りすぎると治療が困難な「薬物依存症頭痛」になる恐れもあります。
鎮痛薬を月に10日以上服用するほどひどいときは、早めに頭痛外来を受診しましょう。

・睡眠不足、パソコンの使い過ぎをあらためる
・ストレッチ、目と首のツボを刺激する

まとめ

・更年期は血圧があがることで頭の血管が拡張・炎症し、偏頭痛になりやすい
・原因が脳の異常でないかどうかを脳神経外科で確認すべし
・初期なら冷やす。お風呂は控える。

更年期の女性ホルモン減少は、いろんなところに影響を及ぼします。
血圧上昇で頭痛がくるというのもそのひとつ。
ただし場所が場所なので、更年期と軽く考えずに早めに受診した方が賢明です。




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