小さな字を読むときに、遠く離したり近くに寄せてみたり。
目の衰えで更年期を実感する女性は少なくありません。
病院での治療法やセルフケアについて、ご紹介します。
見えにくくなった原因は?
老眼
歳をとると焦点を合わせる筋肉が働きにくくなります。
これがちょうど更年期の時期に重なるように症状としてあらわれてくることが多く、40代後半くらいから急に見えづらくなったと感じる人が増えてきます。
多くは単なる老化現象であり、一種の更年期症状。老眼になりかけている段階と言ってよいでしょう。
いわゆる「老眼」と判断される症状は以下の通り。
□新聞などとの小さな字が読みにくくなる
□最近、眼が疲れやすくなった。
□薄暗い場所では特に見にくい。
□目を細めて見るようになった。
□朝は比較的よく見えるけれども、夕方になると物が見えにくく感じる。
□眼の前にもやがかかったように霞むようになった。
□遠くの物が二重に見えるようになった。
□肩こりや頭痛等がひどくなった。時には吐き気がする。
老眼は年齢を加えると共に発症してくるのが普通です。しかし、年齢を重ねてもなかなか発症しない人や、若くても老眼の進んだ人が居るのも事実です。
視力矯正が必要かどうか、眼科で相談しましょう。
ドライアイ
更年期の時期に見えにくさを感じるもうひとつの大きな要因はドライアイ。
なんとなくかすんで見えにくいと感じている場合、目の乾きが原因のことが多いのですが、ドライアイと気づかず放っておく人が多いといいます。
自覚症状があったら、下記のようなドライアイ対策を。
・ドライアイ用の目薬をこまめにさす
・温かいおしぼりをまぶたにのせて涙の分泌を促す
・目のストレッチ(目をぎゅっと閉じる、パチパチまばたきをする)
眼瞼下垂(がんけんかすい)
まぶたが重くて見えにくい、うっとうしいと思ったら「眼瞼下垂」の可能性が。
これは上眼挙筋というまぶたを持ち上げる筋肉が衰えて、まぶたが十分上がらないという症状です。
長年ハードコンタクトレンズを装用している人は、レンズで筋肉がこすられ弱くなっているため、眼瞼下垂が起こりやすいとされています。
眼精疲労
若くても、目の疲れやかすみは「眼精疲労」と言われ、長時間のパソコン作業やメガネ・コンタクトが合わないなどの原因で起きます。
これを放っておくと、老眼の進行を早めることに。
若いころから体と同様に目もいたわってあげることが最善の予防策です。
・・・しかし、すでに更年期にさしかかっている、またはまっただ中の人。
もう予防などと言っている場合ではありません。
これから改善する方法や、悪化させないための方法を調べてみました。
見えにくいと感じたときの治療方法
眼精疲労をすっきり解消させてくれるのはこちら。
眼科
眼科では、視力検査、目の表面の傷などをチェックします。
また濾紙に涙がしみ込む量を計測するシルマーテストなどで涙の分泌量を検査し、ドライアイかどうかを診断。
人工涙液点眼、涙点プラグ、ドライアイ用眼軟膏などで治療します。
ドライアイの原因には、コンタクトレンズやパソコン,エアコンなどの影響のほか、ステロイドの副作用やシェーグレン症候群という自己免疫疾患によることもあり、診察が必要です。
眼精疲労治療室
眼精疲労によって減退した調整力の回復と、眼球の周りの筋肉の疲労を取ることをねらいにしている専門治療室。多くは予約制で、眼科に併設されていることも。
洗眼、マッサージ、ホットパック、点眼、低周波治療、アイスパックなど。
治療費は、眼科医院により異なり、保健治療の3割負担で1回数百円の治療代のところと、数千円の自費治療のところがあるようです。
鍼灸院
目のまわりのツボに鍼治療を行います。眼精疲労に鍼治療は大変効果的。
見えにくいと感じたときのセルフケア
●まず、目を酷使しないこと。
長時間のパソコン作業を減らし、睡眠不足にならないように気をつけましょう。
●バランスの良い食事を心がける。特にビタミンA、B、C、Eが不足しないように注意。
●目に良いといわれる食材を食事に取り入れる(ブルーベリー、黒豆、ナッツ類 など)
●細かい物を見る作業をしている人は眼が疲れないように定期的に眼を休ませること。
●眼の疲れを感じたら、眼を休ませて遠くを見たり、温かいタオルを眼にあてて眼の疲れを取る。
●強い紫外線や赤外線に当たらないようにする。外出にはサングラスや保護めがねをする。色の濃いサングラスよりUVカットの薄い色の眼鏡の方が瞳孔が開かないので効果的。
●眼球を動かしたり遠くや近くを見る運動を繰り返して衰えた毛様体筋を鍛える。
●目の周りのツボを押してリフレッシュ。
[頭ほぐし専門店atama]より画像拝借
●サプリ服用
目の機能性表示食品「えんきん」
4週間の使用で手元のピント調節力が改善したという臨床結果が出ています。
40代から増えてくる緑内障について
見えにくいといった症状がないまま進行してしまい、ある日突然見えなくなるという目の病気もあります。
その代表的な例が緑内障です。
これは眼球の内圧(眼圧)が高くなったり、視神経自体が弱くなったりして起こる病気ですが、相当進行しないと視野が狭くなるなどの自覚症状が出ません。
ただし、定期的に眼底検査を受けていれば初期のうちに見つけることができます。
40歳を過ぎたら、年に一度は目の検診もしておくことが何よりの予防策だと、眼科医の先生方はおっしゃっています。
また、軽く見られがちな眼精疲労も、蓄積されれば他の症状を引き起こすことに。
大きな症状となる前に、日頃のケアや定期的な検診、予防的治療が大切です。
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