ボケる人ボケない人、その差は一体何なんだろう?明快な答えがないため、避けようがない問題のように語られます。
でも本当にそうでしょうか?認知症になる人の共通点、やっていること、やっていないことがあるのでは?
認知症になるかならないかの分かれ目、これについては医学や介護の専門家からさまざまな分析がなされています。
よく見かける説はこの2つ。
1. 性格的な要因
責任感がある、大らかな性格は認知症になりにくく、
協調性がない、イライラしやすいひとは認知症になりやすい。
大雑把な分け方ですが、ストレスが引き金になっているならこの説は説得力があります。
2.食事の傾向
食事の傾向も大きな要因です。
長寿の多い地域を調べると、質の良い栄養素を豊富に摂っていることが元気で長生きの秘訣であることが多いですね。
(認知症予防になる栄養成分や食材については本当に多数あるのでここでは説明を省きます)
しかし、もっと基本的な、シンプルな行動がボケの原因だとする説があります。
それは、水の摂取不足。
お茶や紅茶やジュースやコーヒーではダメです。水。水です。
認知症の患者さんに共通しているのは、「水」をちゃんと飲んでいないことだそうです。
なぜ「水」をたくさん飲むことがボケ防止につながるのか?
その理由と、毎日の飲み方についてご説明します。
脳の80%は水でできている
脳の80%は水でできています。
水がわずかな量でも減ると、脳は正常に働けません。
水が足りていないと脳の細胞は衰え、認知症や動脈硬化を引き起こしやすくなります。
また、脳以外の場所でも細胞のがん化を進めます。
健康志向の世の中、あまたの健康食・健康法が存在しますが、
それをする前にまず体の水不足を解決することが大事。
といっても、毎日水を意識的に飲めばいいだけ。
あまりにシンプルすぎて盲点ではないでしょうか。
教えてくれたのはこの本です。
水を飲んで腸に届いたあと、最初にその水分が届けられるのは、「脳」なんだそうです。
水は、生命維持にもっとも重要な部位から順々に送られるようにできていて、
人体の中でいちばん早く水が供給される場所は脳、各臓器、そして最後が皮膚とのこと。
医者である著者・藤田先生のもとに訪れる認知症患者やその家族に、先生が真っ先に尋ねるのは、
「水を毎日どのくらい飲んでいますか?」という質問だそうです。
するとほとんどの方が、1日あたり500ミリリットルのペットボトル1本程度、買ってまで飲むのはもったいないという人も珍しくないとのこと。
これでは認知症を遠ざけることはできない、と著者は断言しています。
認知症を防ぎたいのなら、良質の水を飲むこと。
著者・藤田先生は毎日2リットル飲んでいるそうです。
脳は腸から発生した臓器
ではなぜ、水がボケを防ぐのか?その鍵は、腸と脳の関係にあります。
藤田先生は、この本で「脳は腸から発生した臓器」だと述べています。
私たち多細胞生物が初めて持った臓器は、腸でした。
腸だけで生きる腔腸動物の発生が、生物の進化史を大きく発展させることになります。
腔腸動物とは、ヒドラやイソギンチャク、クラゲなどの仲間です。彼らは、腸以外のあらゆる臓器を持ちません。脳も心臓もないのです。腸だけで生命を維持するという単純な構造をしています。
この原始的な生物は、あらゆる判断を腸で行っています。脳を持たない動物は、腸で思考するのです。(中略)
私たちは学校教育で「思考の場所は脳である」と、教えられてきました。
しかしそうではなかったのです。腸には、大脳に匹敵するほどの神経細胞が存在しています。脳を持たない生物たちが腸で思考するように、私たちの腸も、日々、生命活動における大切な判断を行なっているのです。
最新の腸研究では、腸から、肝臓、膵臓、胃、肺と分化して、腸の入り口にあった神経細胞の集まりから脳が生まれたと考えられているそうです。
「腸は第二の脳」とよく言われますが、逆!でした。
腸が最初の脳だった、というわけです。
しかし進化の過程で、その優位順列が入れ替わりました。
「脳-腸 トレードオフ」と呼ばれる学説です。
腸が脳にエネルギーを回してあげた結果、脳がすべてを指令する器官に成長したのです。
この進化の過程を知ると、
脳の異常でボケることを防ぐためには、腸を大切にするべきだという理屈がすっと入ってきますね。
効果的な水の選び方と飲み方
水を積極的に飲む!といっても、無理やり飲む必要はありません。
生活の節目節目でお茶やジュースを飲みますが、それを水にするだけでOK。
この本に書いてる方法で私が日々実践しているのがコレ。
- 朝はキリリと冷えた水を1杯
- 日中は喉がかわく前に意識的に水を飲む
- 食事のときもかたわらに置くのは水
- 夜寝る前にコップ1杯の水
これを習慣化すると、まず腸の調子が抜群に良くなります。
便秘や下痢体質だと、やれ乳酸菌だのオリゴ糖だのを腸に送り込んで解決しようとやっきになりますが、そのようなものをわざわざ取り入れなくても、「水の摂取」で十分腸内環境は改善されるということに、最初は正直驚きました。
また、おなかの調子がよくなるとついでに肌の調子も良くなります。
ボケが防げる上、快便で体が軽く肌もきれいになる。
一石二鳥にも三鳥にもなるシンプルな方法が水飲み習慣です。
ミネラルウォーターはアルカリイオン数値で決める
本によると、アルカリイオン数値(以降pH)7.4以上のアルカリ性であれば、抗酸化力が高まるとのこと。
抗酸化力が高まれば脳の酸化(=老化)を防いで、認知症になりにくい元気な脳を保てるというわけです。
pH7以上→アルカリ性
pH7→中性
pH7以下→酸性
ミネラルウォーターのラベルにpHの記載がある場合は、この数値を見ると良いです。
人間のからだは、通常pH7.4前後の弱アルカリ性なので、
認知症の予防と改善に効果的なのはpH7.4以上がオススメです。
この点を気をつけて探してみると、スーパーなどで売っているミネラルウォーターの中で明らかにpH7.4以上というのは意外と少ないものです。
いろいろ調べて見た結果、キリンの「アルカリイオンの水」がpH値8.8〜9.4でアルカリ性OK。
ここまでpH値高くて安い水はほかには見当たらないので、うちはいつもコレです。
長寿の土地にヒントあり
世界有数の長寿を誇る地域には、必ず良質な湧き水があります。
南米のビルカバンバ、黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス、パキスタン北部のフンザ。
いずれも共通しているのは、
その土地にミネラル豊富な水があることなのだそうです。
これらの地域では100歳越えても心身ともに元気であることが当たり前だそうで、
良い水をたくさん飲むことが、健康の土台作りであることを証明しています。
厚生労働省の調査報告によると、現代生活でもっとも不足している栄養素はミネラルなのだそうです。
ミネラルは体内で作り出すことができないので、食事やサプリや水で摂ることになりますが、もっとも体内に吸収されやすいのは水です。
にも関わらず、水の重要性についてはあまり語られることがありません。
相変わらずがん患者数は横ばいだし、認知症も珍しくない医療先進国日本。
医療に頼らず人が元気な地域に、もっと学ぶべきなのでは?と思います。
ちなみに、ビルカバンバには近年欧米からの移住者が急増しているそうですが、健康を追求すれば納得の選択だと言えますね。
移住はさすがに無理ですが、日々腸をいたわって水補給を心がけるだけで、健康寿命はぐっと伸びてくれるはず。
まとめ
元気に歳をとり、周囲に迷惑をかけないためにも今からできること。
運動や健康サプリも良いですが、もっと簡単にできる方法があります。
それは、
「毎日たくさんの水(1.5L〜2L)を飲むこと」です。
水を飲むと
↓
腸が元気になる
↓
脳も元気になる
↓
ボケない
覚えておいて損はありません。
ご参考になれば幸いです。