今、「究極のアンチエイジング」として美容面でも注目されているホルモン補充療法。
女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの作用を薬で促して更年期症状をやわらげ、美容効果も実証されている治療法です。
私も長らくお世話になっているこの療法。今回はこの2つの女性ホルモンの種類や役割、副作用について解説していきたいと思います。
そもそも、女性ホルモンとは何?
本来、私たち女性の体には2つの女性ホルモンを作り出す能力があります。
この2つのホルモンは分泌のタイミングが異なり、それぞれ役割があります。
図:yomiDr.記事「月経のしくみと女性ホルモン」より引用
卵胞ホルモン「エストロゲン」
卵胞期に出るのがエストロゲンで、妊娠しやすい状態に心とからだを整える役割です。
この期間、肌や髪が潤って気持ちも前向きになり、からだも軽く感じられます。
さまざまな面でプラスの効果をもたらすこのエストロゲンは別名「美人ホルモン」とも呼ばれるそうで、アンチエイジング系サプリによく含まれるのはこっち。
女性ホルモンの代名詞ともいえます。
黄体ホルモン「プロゲステロン」
一方、排卵後の黄体期に出てくるのがプロゲステロン。
なぜ「黄体」かというと、排卵期に卵を放出したカラ(卵胞)が黄色に変化するからだそうです。
この期間、受精卵がいつ着床してもよいように子宮内膜がフカフカにぶ厚くなります。体温も高くなります。妊娠にむけて二つの女性ホルモン総動員している状態です。
しかし、黄体期の女性ホルモンロゲステロンは美容面ではあまり恩恵がありません。
体温が高めでなんとなくだるい、頭痛・腰痛、イライラ。
これが重症化すると、月経前症候群(PMS)となります。
この時期、脂肪もたくわえやすくなるのでダイエットにも不向きとされています。
むくみが出たりニキビが出たり、エストロゲンとは真逆の作用なので、別名「ブスホルモン」とも呼ばれるそうです(笑)。
両者それぞれ大切な役割
エストロゲンが素晴らしくてプロゲステロンは嬉しくない存在のように見えますが、妊娠した場合はプロゲステロンが出っ放しになり、受精卵を育てるために大活躍します。
受精卵が着床しなければどちらも急激に減り、子宮内膜が剥がれ、月経となります。
そして次回の排卵に備えて、またエストロゲン・プロゲステロンの分泌サイクルが繰り返されます。
このあともうまくできていて、
出産適齢期を過ぎると、この二つの女性ホルモン量はガクッと減ってきます。
この流れは自然の仕組み。
私たちが意識しようとしまいと、本能で行われるからだの神秘です。
急激に分泌量が減ることで、今まで一定期間でやってきた月経サイクルや月経の様子に変化が出てきます。
ホルモンバランスの崩れであらゆる不調が頻発。
これがいわゆる更年期障害です。
そこでガクッと減った分の女性ホルモンを補充することで不調を和らげるのが「ホルモン補充療法」です。
人工的な女性ホルモン、副作用は?
(日経メディカル処方薬事典より引用)
エストロゲンの主な副作用
- 乳房症状
- 乳房の張り、乳房痛などがあらわれる場合がある
- 消化器症状
- 吐き気、腹部膨満感などがあらわれる場合がある
- 血栓症
- 頻度は非常に稀である
- 手足のまひやしびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難などがみられる場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
プロゲステロンの主な副作用
- 消化器症状
- 吐き気・嘔吐、食欲不振などがあらわれる場合がある
- 精神神経系症状
- めまい、頭痛、眠気などがあらわれる場合がある
病院診察を経て処方された女性ホルモン薬であれば、医師の指導通りに使っていれば問題ありません。
ただし自分で購入して使用する場合は自己責任なので、販売サイトの使用方法・禁忌・副作用の欄をよく読んで、使い始めは変化に十分に注意した方が良いでしょう。
(これは女性ホルモンに限った話ではないですね)
しかし女性ホルモンはもともと自身のからだで作っている(作ってきた)ホルモンなので、極端な副作用が出てくることはあまりないようです。
一応、さまざまな副作用が可能性として列記されていますが、そこまで神経質になる必要はないんじゃないかな?というのが私の個人的な意見です。
※私の体験談・感想
私は、エストラーナでエストロゲンを、ソフィアA錠剤でエストロゲン&プロゲステロンを摂取して更年期障害を抑えています。
これを副作用というのかどうかわかりませんが、生理前や妊娠時の不調がそのまま再現されているように思いました。
特に、黄体ホルモン期のプロゲステロンが入った薬を使うときに強く感じます。
それぞれの特性を考えるとそれも当然ですよね。
エストロゲンは、
肌ぴちぴち・髪つやつや・プラス思考「美人ホルモン」
妊娠前のオンナ度UP期間
プロゲステロンは、
むくみ・肌荒れ・肥満・イライラ「ブスホルモン」
妊娠後の母モード期間
ということは、プロゲステロンの薬剤は、
生理が周期的に来ていたころの不調に近い状態が「副作用」として出てくる
可能性があるということです。
私が黄体期に服用している「ソフィアA」、
2つの女性ホルモンの合剤なのですが、初めて使う前に、担当医師から言われました。
「気分の落ち込みが出るかもしれないけど、
飲んでる間だけだから気にしないように」
と。
幸い気分の落ち込みはありませんでしたが、軽い「食べづわり」のようなむかつきは感じました。
今にして思えばこれは、プロゲステロンがもたらす症状でした。
ということは、生理前の不調が強い傾向の人は症状も出やすいかもしれません。
日本で処方される女性ホルモン剤
病院でホルモン補充療法(HRT)に用いる薬は、
- 卵胞ホルモン(エストロゲン)のみ
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)のみ
- 卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤
この3パターン。
その人の症状や体質に合わせて医師が選択します。
(私の場合は1と3ですね。1=エストラーナテープ、3=ソフィア錠)
国内の病院で使われるHRT製剤 | NPO法人女性の健康とメノポーズ協会より
卵胞ホルモン(エストロゲン)薬剤
[飲み薬] ジュリナ錠
[飲み薬] プレマリン錠★
[貼り薬] エストラーナテープ
[塗り薬] ディビゲル
[塗り薬] ル・エストロジェル★
[飲み薬] ウェールナラ配合錠
[貼り薬] メノエイドコンビパッチ
卵胞ホルモン・黄体ホルモン合剤
[飲み薬] ウェールナラ錠
[貼り薬] メノエイドコンビパッチ
黄体ホルモン(プロゲステロン)薬剤
[すべて飲み薬] プロベラ★、ネルフィン、プロゲストン、メドキシン
ヒスロン、デュファストン
★=個人輸入でも入手可
海外から入手できるホルモン剤は、上記商品のジェネリック製品をはじめ、数多くあります。
女性ホルモンといっても、卵胞ホルモン・黄体ホルモンかによって作用の仕方が違うことはお分かりいただけたと思います。
どちらかを確認の上、それぞれの特徴を理解してご自身にあった薬剤を選択することが大切ですね。
まとめ
女性ホルモン剤が、更年期女性にもたらしてくれるもの。
それは、
◎更年期障害を抑える
だけでなく、
◎若さを維持する
◎骨粗鬆症を防ぐ
◎認知症を防ぐ
ことにもつながります。
子孫繁栄のための生物的役割が終わったら不要とされる女性ホルモン。
そしてあっという間に老けて女性としての見た目の魅力も失われていく。
この仕組み、なんだか悲しいと思うんですよね。
女性が出産だけのための道具みたいで・・・
でも、今はそれを逆手に元気と美しさを手に入られる時代。
知識を持って生活に取り入れたら、人生をもっと楽しめると思うのです。
出産してもしなくても、誰もが人として輝いて生きる権利があるはずです。
医学の進歩に感謝しつつ、将来に備えてホルモン補充で更年期を乗り切っていきましょう!
なお、ホルモン補充療法を行う場合、日本では医療目的としてでなければ保険適用外で高額ですが、個人輸入なら低価格で入手できるとあって、最近利用者が増えてきています。
個人輸入代理店が扱っている薬は、販売実績と評判に基づいた安全なものではありますが、自分でも薬の性質・役割などを理解し、安心して使うようにしましょう。
女性ホルモン、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの役割と作用がとてもわかりやすく説明されており、とてもありがたかったです。
さらにホルモン補充療法で使用される製剤も簡潔にまとめられており、大変参考になりました。
昨年子宮筋腫で子宮を摘出して以来、関節のこわばり、ホットフラッシュ、だるさなどが現れ、最近ようやくホルモン補充療法を始めることにしました。その際にお薬を決めるポイントとして、このサイトが大変役に立ちました。
ありがとうございます。
コメントありがとうございます!ご返信遅くなり申し訳ありません。
お役に立てて何よりです。
私は45歳頃から7年近くホルモン補充療法にお世話になっているのですが、休止するとすぐにホットフラッシュが出てくるので続けています。
そろそろ落ち着いてくれたらと思うのですが^^;
お互い健康に気をつけて元気に乗り越えたいですね!