更年期障害や症状がひどくても、ホルモン補充療法を受けられない人がいます。
・乳がん、または乳がんを患った事がある人
・子宮がん、または子宮がんを患った事がある人
・血栓症の治療薬を服用している人
・血糖降下剤を服用している人
・脳卒中を患ったことのある人
このような場合、ホルモン補充療法をすることで悪化してしまう恐れがあるからです。
婦人科では最初にいろいろ質問されたり質問用紙に記入を促されたりしますが、これを確認するためなのですね。
東洋医学は、何が原因で病気になったのかを考える医学です。
そして根本原因が解決されるように、気の流れや血液の流れを調整していきます。
その調整の方法は、薬(漢方薬)や指圧、鍼、気功、など。現れている症状を一時的に抑えるのではなく、誰もが持っている本来の治癒力を引き出す治療です。
症状を抑えたり悪いところを手術で切り取ったりする西洋医学とは考え方がまったく違いますね。
自律神経の乱れであちこちに不具合の出てくる更年期はある意味自然の流れ。
無理に押さえ込むよりも、自然に逆らわず調整する東洋医学の方が適しているかもしれません。
ホルモン補充療法が登場するずっと前から人々におなじみだった療法について、調べてみました。
漢方
内科や婦人科では、ホルモン補充療法が不向きとされた方には、漢方薬の処方で対策を考えてくれることが多いようです。
また、ホルモン補充療法を終了していくときに漢方薬へ切り替えていくという方法もあります。
「効き目が遅い」「長く使わないと効果が出ない」と言われる漢方薬ですが、更年期症状・障害が漢方薬だけで改善するということもよくあります。
ただし、タイプに合わない漢方をとると副作用が出てしまうので、注意が必要とのこと。
(漢方は副作用がないというのは誤解)
主治医に自身の症状や生活習慣などを正しく申告して、もっとも効果的な漢方薬を処方してもらいましょう。
(参考記事:【更年期】体型・体質でわかる自分に合った漢方の選び方)
◎即効性は西洋薬。幅広く効くのは漢方薬
漢方薬は、生薬の配合の比率によって効能が違う薬になります。
(生薬とは、天然にあるものをそのまま乾燥、砕く、焼く、燻すなどしたもの)
化学合成でつくられた西洋薬にも天然素材を使っていることがありますが、薬理作用のある物質だけを抽出して加工します。つまりピンポイントで効き、即効性に優れます。
一方、効きの幅広さでは漢方薬の方が上。
更年期障害は、まさにいろいろな症状なので、漢方薬が有効なのです。
◎ドラッグストアや薬局で買える漢方は効く?
ドラッグストアや薬局
ドラッグストアや薬局でも手軽に買える漢方薬は、病院で処方される漢方薬の3分の2から半分の少ない有効成分量です。それでいて価格は市販薬の方が上。
しかし、市販薬の漢方には、処方薬にはない配合でできたものが数多くあります。
「命の母A」「喜谷實母散(きたにじつぼさん)」「ケンプ丸」などが有名ですね。
江戸時代から使われて来た歴史ある薬もたくさんあります。
体質に合っていて、症状が軽くなるのであればOKです。
漢方薬局
漢方薬局は、中医師(中国の漢方医学を学んだ医師)が独自に調合していることが多く、症状に合わせて細やかな漢方を出してくれます。
先ほど説明した「実証・虚証」のほか、さらに細かく体質を見極めて診断してくれるので、まさにオーダーメイド。漢方でありながらピンポイントで効く最適な薬を選んでくれます。
しかし中医師の資格だけでは保険診療ができないのでどうしても高価になってしまいます。
手軽さでは断然ドラッグストア。まずはどんなものか試してみたい、病院へ訪れる時間がないという方は、成分を抑えた市販薬で様子をみるのも良いかもしれません。
安さと効き目を求めるなら病院。有効成分の量も市販薬よりも多く、何よりお医者様の判断なので安心確実です。
ツボ療法
これも東洋医学の神髄ですね。
ツボを押すことによって生体防御機能を高めたり、体の不調を改善したり、いろいろな効果を引き出します。
病院へ行かなくても自分でできるケアなのでお手軽です。
ツボに指や手のひらを当てて、やさしくゆっくりと押しながら、1、2、3・・・
1ヵ所に1分ぐらいかけて、ゆったりとした気持ちで行います。
力を入れて押す必要はありません。
リラックスして行うと副交感神経が働き、アンバランスとなっている体が整っていきます。
◎ツボの探し方
穴のように感じる場所、指を当てると気持ちのいい場所。そこがツボです。
ほかの部分よりも皮膚がザラザラしていたり、ほかと違って冷たかったりあたたかかったり、小さなしこりのようになっていることもあります。
◎症状別ツボの場所
【体を元気に整えるツボ】
足三里 (あしのさんり)
合谷 (ごうこく)
三陰交 (さんいんこう)
【のぼせ・ほてり】
太衝(たいしょう)
曲池 (きょくち)
太谿(たいけい)
【冷え】
三陰交 (さんいんこう)
太谿(たいけい)
湧泉(ゆうせん)
【肩こり】
肩井(けんせい)
太衝(たいしょう)
曲池 (きょくち)
【イライラ】
労宮 (ろうきゅう)
太衝(たいしょう)
太谿(たいけい)
【不眠】
太衝(たいしょう)
天柱(てんちゅう)
百会(ひゃくえ)
◎ツボ押しをやってはいけないとき
・38度以上の高熱があるとき
・出血性の病気にかかっているとき
・日内変動の激しい高血圧や、急に血圧が上昇してきた場合
・体が疲れて衰弱しているとき
ツボは何カ所も押す必要はないそうです。
自分に合っている、気持ちがいいと思う場所を1〜2カ所覚えておいて、仕事や家事の合間に押してみる、またはリラックスタイムにのんびりテレビでも見ながら押してみる。自宅でできる更年期ケアとして習慣にとりいれてみるのも良いですね。
ちなみに「冷え対策」ツボの「湧泉」。
ここは、気功では「邪気が出て行くところ」として結構大事なツボです。
座禅気功のあと、あぐらをかいた姿勢で指で右回りに30回・左回りに30回、ぐるぐる押します。
これにより体の中の滞った気が外に出ていきやすくなると言われています。
私はサウナに入っているとき、汗と一緒に老廃物が外に出て行くイメージでよくここを押すようにしています。
全身スッキリするのでおすすめですよ。
サプリメント
更年期諸症状を緩和する女性ホルモンと同様の成分「エクオール」。
さまざまなサプリが市販されており、婦人科疾患でホルモン補充療法ができない人でも使えます。
ご参考になれば幸いです。
コメントを残す