まぎらわしい更年期の症状〜本当の病気がかくれている場合

更年期障害・症状は、神経伝達機能がホルモン分泌異常で影響を受けているに過ぎず、一過性のものです。ホルモン分泌が安定してくれば体と脳の信号のやりとりが正常に戻り、自然と症状もおさまってくると言われています。

しかしそれに隠れて、「本当は病気のサイン」ということもあるので要注意です。

 

のぼせやほてり、更年期とは限らない

一日に数回、一時間に数回という頻度でおそってくるのぼせやほてり。
女性ホルモンの分泌の急上昇・急降下による自律神経の乱れが原因で、気温に関係なく出る症状です。

年齢が45〜55歳あたりだと更年期をまず疑いますが、別の病気が隠れていることがあります。

【ほてり・のぼせ・多汗で考えられる別の病気】
高血圧・心臓病・甲状腺機能障害など

動悸・息切れがともなうなら要注意

【病院での治療・処方】ホルモン補充療法

 

腰や手足の冷え

「冷え性」は代表的な女性ホルモンがからむ症状で、思春期以降の女性の半数が悩んでいるとも言われています。
若い頃には冷えを感じなかった人も、更年期にさしかかってから冷えをつらく感じるという人も多いそうです。(私もそうです)

ほてりの前後に冷えを感じることも多いため、「冷えのぼせ」とも呼ばれます。これになると、夏だろうが冬だろうが暑いんだか寒いんだかわからなくなってしまいます。

やはりこれもキーワードは自律神経。冷えの場合はプラス知覚神経です。

これは、本当は温かい(暖かい)のに、脳が正しくそれを認識しておらず、冷たい(寒い)と感じてしまうというもの。
自分の体であって自分の体ではないというコントロール不能な状態ですね。

【冷えで考えられる別の病気】
心臓病、甲状腺機能障害・甲状腺機能低下症など

冷えの症状がひどいなら要注意

【病院での治療・処方】

漢方療法、自律神経調整薬、ビタミンE剤投与、指圧・マッサージなど

 

頭痛・肩こり

更年期の頭痛や肩こりは、「卵巣機能の低下による血行不良」が大きな要因と言われています。
頭痛は1日に何度も起こったり数日おいてまた起こるなど、反復性が特徴です。
習慣化すると不眠やめまいなど別の症状の引き金にもなってしまうので、早めに対策をとった方がよいでしょう。

頭は場所が場所だけにこわいですね。
私は頭の一部が鈍器でなぐられたような痛みを感じる偏頭痛の症状がたびたび出たので、脳外科を受診しました。
脳のCTもとれるような設備のある病院でしたが、実際は問診だけで脳の異常はないと判断され、頭痛薬を処方されて終わりでした。

問診は、頭痛が起こったときに「手足がしびれるか、ズキンとくるのかズキズキと脈打つようなものか、吐き気はあるか」といった、同時に出ている症状についての質問。
私の場合は、手足はしびれない/脈打つ痛みではない/吐き気はない と答えたところ、重い病気は潜んでいないと判断されたようです。

「突発的な偏頭痛でしばらくすると治ります」と言われたので、これは更年期特有の頭痛とみてよいでしょう。

【頭痛で考えられる別の病気】
群発頭痛、急性肝炎、くも膜下出血、脳腫瘍、脳出血(脳内出血)、高血圧症、肺炎など

頭痛以外の下記の症状が同時に出ている場合要注意
痙攣、手足のしびれ・麻痺/ズキズキと脈打つ/吐き気/毎日のように決まった時間に起こる/片側の目の奥、頭の前方の激痛/顔面紅潮/目の結膜の充血/涙、鼻づまり、鼻水/全身脱力感/食欲不振/嘔吐、発熱

【病院での治療・処方】

更年期による頭痛の場合:
鎮痛剤、精神安定剤、カウンセリング、方頃には痛みを抑える成分の入った貼り薬

 

 

 

まとめ

ほてりそのものは痛みもないし、「たかが更年期」と軽く見がち。冷え性や頭痛も、本人も周囲もあまり深刻に受け止めないことが多いです。

しかしそれ以外の症状がともなう場合は、単なる更年期ではない可能性もあるので、念のため検査を受けるとよいでしょう。
受診して大きな問題がないとはっきりすれば、「なーんだ更年期障害ね」と、気分的にも楽になります。

卵巣機能の低下で血行不良の結果、頭痛や肩こりが起こるとわかり、私なりにイメージしたのが星の衰退。新星は明るく輝き熱を発しているのに対し、寿命がきた星はどんどん気温が下がります。

卵巣という女性特有の機能が役割を果たしたあと、どんどん熱が下がって機能を停止するのかなと。

卵巣の機能はここで終わりますが人生まだまだこれからなのだから、体が冷えないように冷え性対策をして、輝きを失わないようにしていきたいものですね。

更年期か病気か見分け方 自覚症状フローチャート〜見分けるポイントと相談先病院

2018年7月5日

 

ご参考になれば幸いです。




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