「99%成功するダイエット」
図書館でタイトルが気になる本を見つけたので借りて読んでみました。
著者:足達 淑子(医学博士)
発行日:1995年10月発行
出版社:株式会社法研
なぜ「99%」、ほぼすべての人が成功すると言い切れるのか?
自信たっぷりなタイトルだったので、その根拠を知りたかったのです。
この本で紹介しているダイエット方法、それは「行動療法」と呼ばれるものでした。
ダイエットできないのは心の病だから・・・
↑これは、産後太ってしまったまま痩せられない私の友人の一言です。
世の中にはさまざまなダイエット方法やダイエットアイテム、ダイエット食品があふれています。
しかし、いろんなものを試してもうまくいかない、一時的にうまくいってもリバウンドしてしまう。
なぜなんだろう?と不思議に思っていましたが、この一言で腑に落ちました。
ダイエット関連のノウハウや商品、それらはすべて手段にすぎない。
なぜやるのか?という、マインドの部分が抜け落ちているのです。
そうすると土台の基礎を作らずに建物をたてるようなもので、作っている途中も不安定だし出来上がったとしても崩れやすい。
このマインドの部分をしっかり作っておきましょう、
そうすればほぼ100%ダイエットに成功しますよ
というのが、この本の主旨でした。
心のクセを見つめて修正する行動療法
行動療法とは、心の反応=自動思考を新しく「書き換える」ことで、そのあとの「行動」を変える心理療法のひとつ。
イギリスやアメリカではメンタルな病気の治療に最も多く選ばれている療法で、抗うつ剤と同じかそれ以上の効果が認められています。
認知行動療法とも呼ばれます。
心理療法というと難しく聞こえますが、
早い話、ものごとの捉え方をマイナスからプラスに修正しよう、そうすれば行動も変わるよ、ということ。
たとえば
肥満、喫煙、引きこもり。
食べてしまう、吸ってしまう、外に出たくない・・・
このときに心はどんな反応をしているのか?
それをひもとくことで、自分の中で決まった思考パターンがあることに気がつきます。
なにか問題が起こっている場合、その心の反応が間違った方向で習慣化されているため、行動も望ましくない間違ったものになってしまうのです。
なので、心の反応を書き換えて、行動も変えていきましょうということ。
そうはいっても、そう簡単に考え方のクセは治らないので、少しずつ考え方のバリエーションを増やしいき、ネガティブな考えや行動のパターンを選ばないようにしていきます。
心療内科やカウンセリング団体では、この流れを専門家が一緒に考えて手伝ってくれますが、もちろん自分自身で行うことも可能。
ダイエットに活かせば、根底にある心の問題が解決され、リバウンドもありえないでしょう。
参考文献サイト:ヘルスプレス
認知行動療法でメタボを改善する 注目のメンタルダイエット
ダイエットの手順
書籍で説明されているダイエットの手順です。
(目次での記載内容をわかりやすく簡略化)
ステージ1 準備
STEP1 … 確実なダイエットー行動療法とは?
STEP2 … 今の暮らしを点検する
STEP3 … 食事と体の動かし方の原則を学ぶ
STEP4 … 体重測定とストレス対処を考える
STEP5 … 実際の食事はどうかをみる
ステージ2 ダイエット
STEP1 … 目標を決める
STEP2 … 記録をとる(セルフモニタリング)
STEP3 … 実行する
ステージ3 リバウンド予防
STEP1 … 体重維持に必要な行動の原則
STEP2 … 体重維持に必要な食べ方の工夫
STEP3 … いきいきと暮らす
本には、このステージ、ステップごとに、自分で確認して書き込めるシートがついています。
空腹との闘い方
空腹感には、2つあります。
- 食べ方が足りないために起きる真の空腹
- 感情や外からの刺激で食欲をそそられる渇望感
何かを食べたいなと思ったとき、これはいったいどちらなのか、ちょっと立ち止まって考える習慣をつけましょう。
一番たしかな見極め方は、
直前の食事のことを思い出してみる
ことです。
何時に何をどれだけ食べたか。
必要な量をしっかりと食べていて、まだ2時間しか経っていなければ、それは本当の空腹とはいえません。
また、食べたくなったときの自分の感情を見つめてみるのも大事です。
- 退屈なのか
- 何かに腹が立っているのか
- 孤独や不安を感じているのか
- TVや雑誌でおいしそうなものを見たか
食べたい気持ちを引き起こした原因は何?と考えると、少し冷静になることができます。
そしてもし真の空腹ではないなと気がついたら、
とにかく5分我慢
してみてください。
じっと静かに我慢していると余計考えてしまうので、他に夢中になれる行動に取りかかるのが良いです。
衝動的に食べたくなる発作は、この我慢を繰り返すことで克服できるようになります。
考え方の罠を克服する
本の著者、足達先生の文面を引用させていただきます。
ダイエットをだいなしにする考え方があります。
それは、完全癖と否定的な考え方です。
これらは、その人の性格や気質と深く結びついていますが、習慣でもありますので、訓練でかなり変えることができます。
何事も完璧でなければ気がすまない、という完全グセは、失敗すると無力感に陥りやすく、物事や自分自身さえも受け入れようとしない否定的な考え方は、自己嫌悪とゆううつにつながります。
つまり、どちらもダイエットにとってマイナスの要因となるのです。
これらの考え方を克服するために、発想を転換する練習をしましょう。
たいていの物事には両面があるのですから、何事も極端に考えず、客観的になることです。
「絶対」とか「必ず」とか「決して」というような言葉を使わないようにする、間違いはだれにでもあると思う、などの習慣をつけましょう。
思ったように結果が出ていないときも、すぐに自分を否定したりがっかりしないで、「まだ時間はある」「結果はこれから出てくる」「めげずにやってる自分ってエライ」と、肯定することが大事です。
小さな成果でも自分をほめる
認知行動療法では、小さな変化でも「よくやった!」と認めてあげることが重要なポイントだと言われています。
体重があまり変わっていなくても、ウエストの数値が少しでも減っていれば「体脂肪量」「体脂肪率」が減っている証拠です。
「変えようと思った」→「少しだけど変わった」この変化はすごいことなので、十分褒めるべきことです。
ここで、「目標まで遠すぎる」「まだ全然ダメだ」などと考えると、上記の足達先生の言うようにせっかくのダイエットが台無しになり、せっかくゼロから+1となったのにまたゼロに戻ってしまいます。
小さな成果でも続ければ大きな成果につながるのは間違いないので、毎日毎回自分を褒めて肯定していくことが、ダイエットを長続きさせる秘訣です。
まとめ
このように、「現実を良い方に解釈する」思考パターンが身につけば、ダイエット以外でも日常のいろんなシチュエーションや人間関係で役に立つことでしょう。
ただ、このダイエット方法はすぐに結果が出るものではないと思います。
半年、1年かけて理想の体重に徐々に近づいていくのではないかと。
体重が激減することもない代わりに、出来上がった体は習慣がともなっているので、元には戻らない(リバウンドしない)、そういうダイエット方法だと思います。
今回取り上げた本は1995年の出版書籍なので、現在取り扱っているところがほとんどないようですが、同じ足達先生による新しい本が出ています。
この療法を本を見ながら実践したいという方はこちらをお求めになってください。
※パソコンではAmazonサイトで「なか見!検索」で本の概要を確認することができます。
ご参考になれば幸いです。
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