アロマオイルを日常の習慣に取り入れている人も多いことと思います。
精油の使い方はさまざまですが、もっともポピュラーなのはアロマポットでアロマの香りを楽しんだり、マッサージオイルにまぜたり、ですね。くつろぎタイムを優雅な気分にさせてくれるので、私もよく使っています。
この使い方は、リラックスするためのイギリス式「アロマセラピー」です。
もう一つのアロマの使い方、それはフランス式「メディカルアロマテラピー」。
アロマはリラックスのためだけでなく、心身の病の治療にも利用されてきました。
医療としてのアロマ
通常の西洋医学は、基本的に対症療法です。悪くなったらそれを抑える薬を投与したり、悪くなった場所を切って取ったりして解決を試みます。
しかしアロマテラピーの考え方はそれとは対照的。
人は生まれながらにして健康に戻ろうという自然の治癒力が備わっている。アロマの香りで眠っている本来の能力を目覚めさせ、さまざまな不調を自ら回復させるというのが、メディカルアアロマテラピーの考え方です。もうずっと前からフランスで研究され続け、ヨーロッパ圏では統合医療として体系化されている療法です。
最近では日本でもこの療法をさまざまな診療科目で取り扱うようになってきました。
- 心療内科・精神科…うつ症状や不安、悩みの緩和
- 眼科・歯科…麻酔の補助的な役割で、緊張緩和
- 産科・婦人科…月経前緊張症(PMS)や更年期障害、不妊症などの改善をはじめ、出産時の痛みの緩和
- 皮膚科…アトピー性皮膚炎の改善
- 耳鼻科…鼻炎症状の緩和
- 整形外科…血行障害や肩こりの緩和
アロマがここまで多岐にわたって医療に使われているとは驚きです。
なぜ香りで症状が改善する?
香りの刺激が脳へ伝達される時間は、0.2秒以下と言われています。しかしその瞬間に食欲が刺激されり、ほっと気持ちが和んだりしますよね。
鼻から取り込まれた香りの成分は嗅神経を介して、本能や情動を司る大脳辺縁系、自律神経やホルモン、免疫を調整する視床下部へと伝わります。香りをかぐと自分でも意識しないうちに感情が変化したり、体調に変化が現れるのはこのためです。
また、嗅覚刺激は五感の中でもっとも脳にダイレクトに伝達され、においの電気信号が心と体に同時に働きかけることが、数々の臨床試験で証明されているそうです。
<においが及ぼす主な作用>
- 自立神経系の調整
- ホルモン(内分泌)の調整
- 免疫系の調整
- 認知機能の向上
- 感情の調整 など
更年期障害のキーワード、「自律神経」「ホルモン」が出てきましたよ!これは効果が期待できそうです。
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自宅でメディカルアロマテラピー
めまいや耳鳴り、ほてり、イライラなど、更年期の症状はさまざまですが、もとの原因は至ってシンプル。自律神経の一時的な故障です。
その自律神経をもとに戻すために、アロマの力を借りてみましょう。
<自宅でのアロマ利用方法>
- 芳香浴 アロマデフューザー、アロマポットで香りを広げる。ティッシュやアロマチャームに含ませる。
- アロマバス ぬるめのお湯に入れる。お風呂に入れるときは分離してしまうので乳化剤などに混ぜてから使用。塩、はちみつ、生クリームでも乳化剤の代用になります。
- マッサージ 精油をマッサージ用キャリアオイルで希釈します。精油原液のままだと濃度が高すぎて肌トラブルが出ることがあります。
<症状別 更年期におすすめアロマ>
症状 | 精油(アロマ) |
のぼせ・ほてり | サイプレス/ペパーミント/クラリセージ ※クラリセージはエストロゲン様作用があるので、使用するときはかかりつけの医師に相談しましょう |
だるい | ペパーミント/ローズマリー |
睡眠障害 | イランイラン/カモミール/サンダルウッド/ネロリ/パチュリー/ローズ/ジャスミン/オレンジ |
関節痛 | ローズマリー |
むくみ | ジュニパー/サイプレス |
うつ(気分を明るしたい) | グレープフルーツ/ペパーミント/ローズマリー |
うつ(心の緊張をほぐしたい) | ラベンダー/ローマンカモミール/ネロリ/オレンジ/マンダリン |
イライラ | イランイラン/ラベンダー/ネロリ |
(参考:主婦の友社「だって更年期なんだもーん」治療編)
アロマの香りの選び方は、「いいな」「好きだな」と直感で思った香りが、今日必要としている香りだとも言います。直感で選ぶもよし、症状別からチョイスするもよし。
メディカル効果を理解した上で使うと免疫力を上げ、さらに効能がアップしますよ。
ご参考になれば幸いです。
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