更年期の治療、いつまで続ける?

ホルモン補充療法(HRT)をやめるタイミングについて

更年期症状がなくなった時点で治療をやめてよいとされています。

しかし1年未満でやめると症状の再発が起こることがあります。
1年以上療法を続けたあとにやめた場合でも症状が現れることもあるので、医師と相談しながら少しずつ薬の量を減らすとよいそうです。
再発した場合は治療を再開すれば改善され、これを繰り返すのは問題ないとされています。

私もHRTを初めてすぐにほてりがおさまったので薬(2ヵ月分)が終わったあと病院へ行かずにいたら、やはり以前と同様のほてりが出てきたので、再度病院で処方してもらい治療を再開しました。

更年期のほてりにホルモン補充療法(HRT)がよく効いた!病院受診するまでに私がとった対処法

2016年1月28日

このように治療中に薬を急にやめると症状の再発があるものの、悪化する心配はなく、あまり神経質になる必要はないとのこと。

私が通っている婦人科の先生は、

「症状がおさまるまで薬を続けましょう。3年から5年くらいで終わりますよ

と言っていました。

 


(図『日経ヘルスプルミエ 女性ホルモンを味方にする本(2009)』より拝借/発症時期はあくまで目安で、個人差が大きい。また、この時期に起こる不調すべてが更年期障害とは限らないので、つらかったり検査結果が標準値を超えていたら専門医で治療が必要。)

 

開始時期と期間は自分で決められる

HRTはほかの医療と比べ、自由度が高く、個人によって選択の幅があるのが特徴です。

つらい症状が改善したらやめて、症状が出たらまた使う。まさに自分で選ぶことができるオーダーメイドの医療と言えます。
開始時期だけでなく、使用期間についても医師と相談しながらベネフィットとリスクを考え、納得すればずっと使い続けてもよいとされています。逆にやめたいと思ったらいつでもやめられる治療です。

ということは、“すべて先生におまかせ”という人はHRTには向かないかもしれません。
自分でどうしたいか意志をしっかり持ち自己決定できる人であれば、HRTの効果も実感しやすいようです。

自由に決められる更年期治療においては、相談相手=医師選びも大切。
何でも話せて信頼できるパートナードクターの存在があると心強いです。

「どこのクリニックで相談したらいいのか分からない」という人は、HRTに詳しい医療機関を検索することができるサイトで最寄りの病院を探してみるのも良いでしょう。

NPO法人 女性の健康とメノポーズ協会

 

 

HRT開始時のホルモン値目安

本人の自覚症状(ほてりや疲労など)からHRTを開始することが多いのですが、一応開始時のホルモン値の目安はあります。

・エストロゲン →30〜50pg/㎖以下
・FSH(卵胞刺激ホルモン)→30mlU/㎖以上

これらは採血で測定します。

この数値がHRT開始の目安になるとされていますが、ホルモン値がこの範囲外でも、つらい症状があればHRTを開始しても構いません。
HRT開始や治療期間は、一人一人の症状を重視して決めるのが基本です。

 

閉経したら更年期は終了間近

更年期とは、女性ホルモンを分泌する卵巣の働きが衰えて停止し、女性ホルモンが欠乏した状態で体が安定するまでの時期を指します。
具体的には閉経をはさんでその前後10年ぐらいの期間。

今、日本女性の平均的な閉経年齢は51歳ぐらいとされていますので、40代半ばから50代半ばまでの期間が更年期にあたるわけです。


(グラフは『日経ヘルスプルミエ 女性ホルモンを味方にする本(2009)』より拝借/更年期に関するアンケート:40〜60代の女性1万人対象)

*サイト管理人の私自身、ほてりがひどくなってHRTを開始したのは46歳頃。3年間ほどHRTで症状をおさえてきました。
現在49でそろそろ生理も終わりそうですが、閉経したらほてりはおさまる、というわけでもなさそうなので、あと数年はHRTとのおつきあいは続くと思います。

 

更年期症状がおさまっても治療継続するケース

・骨粗しょう症の進行を予防する
・高脂血症などの生活習慣病予防

こういった目的で、更年期症状がおさまったあとも治療を続けるケースも珍しくありません。
この場合は定期検診をしながら10年以上の治療となるそうです。

 

ホルモン補充療法(HRT)の副作用

急激に減少するエストロゲンを飲み薬や貼り薬により補充するホルモン補充療法。

薬を投与することによる副作用はほとんどなく、あっても体が治療に慣れてくる1~2か月後までに治まるものがほとんどだといわれていますが、中には顕著に副作用が出る体質の方もいます。

 

主な副作用は以下のとおり。

 不正出血・乳房のハリ、下腹部の痛み

これらは女性ホルモン本来の働きによるものなので、生理前や生理中に感じる不快感と同レベルです。(※注:サイト管理人の実体験による感想)

子宮がんリスク

エストロゲンのみを長期投与し続けると子宮内膜が増殖し、子宮体がんリスクが高まるといわれています。
予防に黄体ホルモン剤(プロゲステロン)も投与する方法が用いられます。併用した場合は、子宮がんの発生リスクは非常に低くなるといわれています。また、3か月以内であればエストロゲン単体の投与でも子宮に悪影響はないとされています。

※乳がんリスクの誤解

以前「乳がんリスクが高まる」と話題になりましたが、最近の調査で実は真逆の結果が出たそうです。
厚生労働省研究班のアンケート調査によると、HRT治療を受けた人は、受けていない人に比べて乳がんになるリスクは半分以下ということがわかりました。

エストラーナテープの副作用

公表されている主な副作用は以下の通りです。

アナフィラキシー、静脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎、
乳房緊満感、乳房痛、不正出血、消退出血、
帯下、貼った所の紅斑・かゆみ など

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2016年5月17日

 

ホルモン補充療法(HRT)の費用

治療が続けば当然費用のことも気になりますね。
更年期障害の治療の場合は飲み薬・貼り薬ともに健康保険が適用されるのでその点は安心です。

最初の診察だけ、初診料・検査料などが必要なので7000〜8000円程度かかりますが、その後は2ヵ月に1度程度で費用はあまりかかりません。(一般に、飲み薬は1ヵ月に1000〜1200円程度の負担)

その他、治療期間中はまったく健康に異常がなくても半年に一度、血液検査(ホルモン値チェック)を行うのでその際は検査料が若干かかります。
血液検査は女性ホルモンの量を調べ、経過をみながら治療を続けるための必須検査。また、血液からその他の異常の発見にもつながることもあるので、体調管理のための定期検診としても役に立ちます。

 

ご参考になれば幸いです。

 

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